今すぐできる!商標の意見書力を上げる5つの方法
商標の意見書を書いてみたものの、イマイチこの書き方で良いのか迷っている。
ってか、そもそもどう書けば正解なの・・・。
という経験はありませんか?
この記事では、意見書の力をすぐに上げることができる5つの方法を紹介します。
(1)名著「商標登録制度の解説と意見書24例」を読む
これを超える商標の意見書に関する実践的な本って他にあんの?っていうくらい良書です。
意見書について何から勉強していいか全くわからない場合は、まずはここから始めてみましょう。
例えば、「京都の花」(商品:茶)という商標が識別力なしとして拒絶されたときに、なぜ識別力があると主張できるのかその理由、書き方はとても参考になります。
(2)他の人の意見書を読む
他の人の意見書は、ノウハウの宝庫ですね。
簡潔に短く書くタイプの人や、物量(証拠量)で押し切るタイプの人、独自の感性で書く人など、様々な書き方があります。
めちゃくちゃ参考になりますので、他の人の意見書を読む方法は最もオススメです。
それでは、他の人の意見書はどこで見ることができるのでしょう。
意見書の取得方法
- インターネット上から取得する
- 電子出願ソフトから包袋を取得する
有難いことにインターネット上に意見書をあげてくれている先生がいます。「商標 意見書」などでググるとでてきます。まずは、それらの意見書を見てみましょう。
しかし、ネットで上がっている意見書は、数も限られていますし、実際の意見書ではない可能性もあります。
そのため、やはり実際の意見書を電子出願ソフトから取得することがいいと思います。
一通当たり600円かかりますが(縦覧期間なら無料!!)、その価値は十分にあります。
僕も定期的に他の人の意見書を勉強しています。これはいつまでもずっと続けていきたい方法ですね。
【参考ブログ】縦覧について
(3)研修に行く
商標の意見書に関する研修はとても少ないですが、年にいくつかあるようです。
その中でも商標実務者養成講座(初級)はオススメです。
オススメの理由は、実際に自分で書いてみるタイプの研修だからです。意見書は、講義で聞くだけでは、絶対に身に付きません!
また、添削付きなのも嬉しいですね。
厳しい講師に当たった場合は、もしかしたら自分の意見書をボロクソに言われるかもしれませんが、それは成長の機会だと前向きに捉えましょう。
他の人の意見を聞くことは、自分の視野を広げる意味で重要です。
研修に行って実際にいくつか意見書を書いてみましょう!
【参考ブログ】商標実務者養成講座(初級)について
弁理士oTToのBlog(ブログ)::商標実務者養成講座(初級) - 2009年弁理士登録しました!!
(4)商標調査報告時に克服方法まで書く
実は、商標調査時にも意見書力を上げる方法があります。
それは、調査時に「拒絶理由が通知されることがある」などと判断した場合に克服方法まで書くことです。
調査時に想定される拒絶理由の克服方法を考えるということは、意見書の主張内容を考えることと似ています。
例えば、想定される拒絶理由が4条1項11号であれば、併存登録や審決例などの証拠、さらに非類似の主張ができる根拠を調査報告書に簡単に書いておくと良いと思います。
ただし、所属している事務所によっては調査時に克服方法まで書いてはいけないところもあるかもしれませんので、注意してください。その場合は、自分メモとしてどこかに克服方法を書いておけば、同じ効果が得られます。
調査時に克服方法まで考えるということは、調査する度に毎回意見書の主張内容まで考えることになるので、飛躍的に経験値が上がります。
(5)拒絶理由通知をもらっても、あきらめないと誓う
「あきらめたらそこで試合終了ですよ。」
という名言は意見書にもいえます。
審査官からの指摘を見ると「確かに〜!」と納得してしまうことが多いです。しかし、そこで屈してしまうと意見書で覆す気力が失せてしまいます。そうなると、審査官を説得することは絶対にできません。
「絶対にあきらめない!」と誓うことが、意見書を書く上では結構重要だったりします。
実際に僕は40日の応答期間で30日目以降に解決策を思い付いたことが何度もありました。どう考えてもきつい案件は確かにあります。しかし、多くの案件は何かしら突破口があるものです。頭が爆発しそうなくらい考えた案件は、自分の血肉となり今後の糧になります。
あきらめそうなときは、いま一度「何か突破口はないか?」と自問してみるといいと思います!
まとめ
この記事で紹介した意見書力をすぐに上げることができる5つの方法です!
- 名著「商標登録制度の解説と意見書24例」を読む
- 他の人の意見書を読む
- 研修に行く
- 商標調査報告時に克服方法まで書く
- 拒絶理由通知をもらっても、あきらめないと誓う