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商標実務のブログ

日々の商標実務で気付いたことを中心に

一瞬で図形商標を検索しよう!WIPOの「Global Brand Database」基本的な使い方

図形商標の検索には、ウィーン図形分類を使って、J-PlatPatなどで検索することが一般的だと思います。

しかし、「とりあえずざっくり見たいんだけどなぁ」とか、「この図形商標のウィーン図形分類の取っ掛かりすらわからん!」といったときには、WIPOの『Global Brand Database』が便利です。

 (下記の各画像は「Global Brand Database」http://www.wipo.int/branddb/en/を引用しています。)

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この記事では、Global Brand Database」の図形商標検索の基本的な使い方を説明します。

 

はじめに

Global Brand Databaseは「類似画像検索」という技術が使用されています。

「類似画像検索」とは、画像で画像を検索する方法です。これまでに様々な手法が提案されており、形状に着目する手法や、色に着目する手法などがあります。

最近では、意匠の類似画像検索もリリースされたり、ウェブではGoogleが画像検索を提供しています。 


「Global Brand Database」を使う目的

「Global Brand Database」は試してみるとわかりますが、類似の商標を全て拾ってくることはできず、これで図形商標の調査を完結させることはできません。

しかし、そうであっても、ワンクリックで類似っぽい商標を検索できるというメリットはとても大きく、これまでの調査の方法を変えます。

このシステムを使う目的は大きく3つあります。

 

【目的1】同一の商標を見つけるために使う

ウィーン図形分類で検索する場合は、類似順に並べてくれていませんので、検索結果の途中にポンっと同一の商標があったりします。

同一の商標は決して見逃せませんが、例えば1万件の図形商標を調査していれば、見逃しが発生することも考えられます。

「Global Brand Database」は同一の商標であれば、かなりの確率で見つけ出してくれますので、同一の商標の見逃しを事前に防ぐことができます

実際に、僕はこのシステムのおかげで同一の商標を見つけたことが3〜4回あり、助かりました・・・

 

【目的2】ウィーン図形分類の候補を得るために使う

「Global Brand Database」が出した検索結果を200〜300件程見れば、1つくらいは似たような商標を見つけてくれますので、その商標のウィーン図形分類を調べます。

そうすると、その商標から調査予定の商標のウィーン図形分類の候補を得ることができます

馬や子供など、キャラクターを描いている画像商標であれば、まだウィーン図形分類は見つけやすいですが、抽象的な図形、幾何学的な図形などはウィーン図形分類を探し出すことは難しいです。

そんなときは、このシステムを使うことでウィーン図形分類を見つける時間が短縮できるという大きなメリットがあります。

 

【目的3】ざっと見るために使う

商標をウィーン図形分類でいきなり調査する前に、とりあえずどんな感じかな〜と見ることできます。

しかし、似ている商標を見つけることができる場合もありますが、99%は似ていません。

あまり結果を期待せずに、100件中1件あればラッキーくらいの気持ちで検索するとよいと思います。 

 

「Global Brand Database」の使い方

下記の4つのステップで検索することができます。

(1)国を指定する

(2)検索画像を入力する 

(3)どの特徴に着目して検索するか決める

(4)文字商標・図形商標の種類を選ぶ

 

 

(1)国を指定する(Source)

Global Brand Databaseは、世界の商標を検索することができますが、今回は日本の商標について調べてみましょう。

Source」タブから「JP TM」を選択しましょう。

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(2)検索画像を入力する(Pick an image)

次に「Image」タブをクリックします。

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Pick an image」の場所に検索したい画像のファイルの場所を指定するか、画像をドラッグして入力します。

 今回は、この犬のイラストで検索してみます。

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そうすると、このように反映されます。

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(3)どの特徴に着目して検索するか決める(Pick a strategy)

画像のどの特徴に着目して検索するかを選びます。着目する特徴によって、検索結果が大きく異なります

以下の4種類から選ぶことができます。

  • Shape:形状の特徴
  • Color:色の特徴
  • Texture:線のタイプ(the types of lines)の特徴
  • Composite:形状と色の組み合わせの特徴

 この中ではShapeが最もオススメで、検索結果が一番良好です。(体感的に)

Textureはよくわからないですが、Shapeと似ているようです。詳しくはヘルプで確認してください。

今回は、Shapeを選択します。

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(4)文字商標・図形商標の種類を選ぶ(Pick an image type)

 最後に文字商標か図形商標かを下記4つのタイプから選びます。

  • Verbal:文字商標
  • Nonverbal:図形商標(文字部分なし)
  • Combined:文字+図形の結合商標
  • Unknown:不明

 

今回は、Nonverbalを選択します。ウィーン図形分類を探すだけなら、Nonverbalだけでもよいかもしれません。

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この後に、検索(filter)ボタンを押します。

 

検索結果

1ページ目

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2ページ目

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3ページ目

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ご覧の通り、全然似てない商標ばかりです。

 

しかし、3ページ目の中ごろにこんな商標がありました。

 

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この商標のウィーン図形分類を見てみると・・・

 

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下記のウィーン図形分類の候補を取得できました!

  • 3.1.8 イヌ、オオカミ、キツネ
  • A3.1.17 立っているシリーズⅠの動物

「立っているシリーズⅠの動物」という分類があることを知れたおかげで、J-PlatPatで「3.1.19 座っているシリーズⅠの動物 」という分類も見つけることができました。この方法ならウィーン図形分類の候補がすぐに見つけることができます。

 

この後は、J-PlatPatの図形検索でいつも通り検索しましょう。

 

まとめ

いかがでしょうか。これまでは、いきなりウィーン図形分類のみの検索しかできなかったのですが、Global Brand Databaseを使うことによって、ウィーン図形分類の候補や同一の商標を検索できたりと、ぐっと調査の方法が広がります。ぜひ、一度試してみてください。