商標実務のブログ

日々の商標実務で気付いたことを中心に

VBAであらゆる業務を自動化する

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VBAを使えば、半分以下の時間で業務ができる

VBAMicrosoft Office製品に組み込まれているプログラミング言語です。

Word、ExcelOutlookなどで使うことができます。

 

このVBAを駆使すれば、今の業務時間を大幅に短縮化することができます

 

どんなことができるの?

VBAを使えば、以下のことが全て自動化できます。

  • ファイルやフォルダを自動作成、移動
  • 願書や意見書などの書誌的な部分を自動作成
  • メール自動作成、自動送信
  • 意見書などのよく使う文言自動挿入
  • J-PlatPatとの連携
  • 必要な審決例ガサッと取ってくる
  • その他検索エンジンの連携

 例えば、願書など書誌的な部分は、コピペなどのミスが発生しやすい部分なので最も自動化が生きてくる項目です。

また、書誌的な項目を自動化すると、「間違ってないかな」と気遣い作業が減るため、業務が非常に楽になります

 

VBAはほとんどのアプリケーションと連携できるので、現在お使いのデータベースから情報を全て引っ張ってくることができます。

自動化機能は、一つ一つは10秒程度の短縮ですが、積み重なれば業務時間を半分くらいに短縮できます。

 

誰が作ればいいの?

基本的には、自分で作ることができます

自分で作ることのメリット

  • コストがかからない
  • 改善が容易

プログラミングが全くの初心者であっても、数か月もあれば多くのことができるようになります。

 

どうやって学ぶの?

今は無料で誰でもプログラミングを学べます。
以下のサイトがオススメです。

動画で学ぶ場合

dotinstall.com

 わからない項目を調べる場合

基本はグーグルで全て調べられます。

 

 

いつプログラミングやるの?

私は、業務時間または家に帰って作成しています。

プログラミングは、落ち着いてまとまった時間集中しないと作成できませんので、できるだけ、問い合わせが少ない時間にすることがよいと思います。

 

むすび

今まで、時間がかかっていた作業がワンクリックでできたときは、かなり感動します。

VBAの修得は、必ず業務効率を上げますので超お勧めです。 

何故4条1項11号の拒絶理由には番号しか書いていないの?

  

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一般的な4条1項11号の拒絶理由

 

                理 由

この商標登録出願に係る商標は~~ごにょごにょ~~第4条第1項第11号に該当します。

 

                 記

区 分  引用No

第25類    1

 

引用No  引用商標一覧

    1  登録第○○○○○号

 

何故4条1項11号の拒絶理由には引用商標の番号しか書いていないの?

 

この拒絶理由を、最初見た時、謎でした。

「登録番号しか書いてないの!?特許だと理由書いてくれてるのに、超不親切じゃん!」

そこで調べると、以下の通達にそのことが書いていました。

 

40.02 商標法第4条第1項第11号に係る拒絶理由の開示

 

商標法第4条第1項第11号に係る拒絶理由の引用商標の表示については、以下の方針によることとする。
1. 商標法第4条第1項第11号に係る拒絶理由通知において、既に、商標 公報に掲載され出願公開されている商標又は登録時の商標公報に掲載され ている商標を拒絶理由に引用する場合には、原則として、引用商標を特定する出願番号又は登録番号のみを表示することとし、「商標」及び「指定商品又は指定役務」は記載しないこととする。

 

引用:http://www.jpo.go.jp/shiryou/kijun/kijun2/pdf/syouhyoubin/40_02.pdf

 

「商標」及び「指定商品又は指定役務」は記載しないこととする。

 

そんなにはっきり書かなくても・・・

これ調べるの若干面倒なんですよね。この引用商標を調べる手間は、1回1回は数分で済みますが、1年間の全ての弁理士の手間を考えると結構ありそうです。

 

引用商標のリンク貼ってくれたらうれしいなと日々思っています。

(J-PlatPatではリンク切れますが・・・)

 

番号しか書かない理由

皆様も感じていると思いますが、おそらく審査の効率化ですね。

YES/NOで審査が終わるので楽だと思います。

審査基準は絶対か

 

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審査基準は絶対じゃない

審査基準は絶対のものじゃないです。極端な話、審査基準をねじまげて結論出すこともOKです。

 

法律ねじまげるのはダメだけど。

 

OK「4条1項11号の審査基準と異なる解釈だが、この場合は、拒絶で。」

NG「4条1項11号に該当するが、この場合は登録で。」

 

審査官も人間だし、間違えることもありますよね。しかも、公開されてない謎の審査プラクティス(手法)に基づいてる可能性もあるし、仲良くやっていくしかないですね。

 

「この意見書むかつくわ~」と思われたら、意地でも拒絶にされる可能性もありますよね。おそろしや。

 

「ライオン」と「テイオン」

 よく外観類似の例では「ライオン」と「テイオン」は似ているよって、なってますが(私も顧客に外観類似説明するときによく使ってます)、個人的には本当に類似になるのか少し疑問です。

いくら外観類似だとしても、

  • テイオンってめっちゃ造語チック
  • 称呼に影響力でかい「語頭」に差異ある
  • しかも、差異音は子音も母音も違う
  • 全体で4音なので1音の影響力でかい
  • 観念違う

なので、称呼非類似&観念非類似だから、称呼偏重今なら審査段階でさえ登録なってもおかしくなさそう。

 

なお、この例は審査基準と関係ありません。

また、引き続き外観類似の例として、使わせていただきます。他に何かいい例があればよいですが。。。

  

まとめ

審査官とは仲良くしましょう

識別力調査に大事もの。それはGoogle

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引用:Google

今、世界はGoogleに支配されているところ、ありますよね。

お店選ぶのも、メールするのも、地図調べるのも、何でもGoogleです。

 

そんなGoogleが商標の審査においても、最重要になってきています。

 

商標の識別力は、「現実にどう使用されているか」が重要

商標の条文では、「産地、販売地、品質・・・」などを表した商標は識別力なしって言われてます。しかし、一見品質表示ではないような商標でも、識別力なしと認定されることがあります。

 

なぜなら、現実世界において、どのように使用されているかということを重視して審査が行われているからです。

 

現実に、品質を表すような使い方をされていれば、「識別力なし!」と認定されます。

 

じゃあ、ここで言うところの「現実」とは?

 

現実とは、Googleの検索結果

 現実に使用されているかどうかは、「Googleの検索結果」で決まることが多いです。

新聞や雑誌などもありますが、圧倒的にURLを貼られていることが多い。

 

つまり、今識別力を調べる上で

「過去の審決例で大丈夫だからオッケー!」

「同じようなものが登録されているからオッケー!」

としてしまっては、非常に危ないということです。

 

まとめ

識別力判断するには、「ググる」ってことがめっちゃ重要です。

商標審決例の調べ方3パターン

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商標の 審決例は以下のときに調べます。

 

(1)調査の結果で判断に困ったとき

(2)意見書・審判請求書に「これでドヤ」って証拠としてぶつけるとき

 

調べ方は3パターンあります。

 

①商標審決データベース(アスタミューゼ株式会社)

 

shohyo.shinketsu.jp

 

ここは、主に識別力を調べたります。

また、この商品・役務ってどういう意味?って調べる時は、不使用取消審判の審決を見に行くので、非常に便利。

さらに、4条1項1号とか珍しいものを調べるときも便利。

 

類否判断は、あまり使いません。

 

②J-Platpat

 

審決公報DB(入力画面)|J-PlatPat

審決公報DBは番号わかっていないと検索できないです。

 

審決速報(入力画面)|J-PlatPat

審決速報は、最新のものが見ることができるのが嬉しいですね。

 

③続 商標類否叢集

 

続 商標類否叢集 書籍版 | 商標専門誌の出版社パテントジャパン

 

類否判断はここです。

1文字相違やA+Bなど調べることができます。

要約してくれてるのも嬉しいです。

これは人力で要約してるのでしょうか。すごいです。

ただし、インターフェイスは・・・・改善ありですよね。

 

 

まとめ

 

調査段階で審決調べたところで、やっぱり微妙だなとしか判断できないことは結構あります。

そして、意見書に書いても「過去の判断に拘束されない」とお決まり文句でばっさり切られることも多々あります。

しかし、それでも審決を知っている場合と、知らない場合の判断精度は大きく変わりますので、先人の知恵はありがたく頂戴しましょう。

 

指定商品・指定役務に迷った時の行動まとめ

 

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指定商品・指定役務決めって、簡単なものもあるのですが、中には本当に難しいものもあると思います。

弁理士の腕の見せどころではあるんですが、今までになかったものはどうすんのコレって感じがします。

指定商品・指定役務に迷った時には、この手順で解決しています。

 

 

1.似た業種の会社はどうしてるんだろう?

まずは、同じような商品・サービスを提供している会社がないかをググります。

そして、何社かピックアップして、IPDLで似た業種の指定商品・指定役務を調べます。

やっぱり1社だけじゃ不安なので、複数社見ておきたいですね。

 

その後、どんな商品・サービスを指定しているのか目星をつけて、決めていきます。

 

 

2.特許庁に聞く、相談する

正直、ここが最強ですね。

よく「過去に1例だけ採用されてますね~」って言われることがありますので、聞いてみて解決することが多いです。

調査の時に類似群コードが必要になるので、類似群コードも併せて聞いておきましょう

お問い合わせは下記です。

 

<出願する際の指定商品(指定役務)の区分に関すること>

特許庁審査業務部商標課国際分類室

電話:03-3581-1101 内線2836

FAX:03-3580-5907

 

3.自分で考える

完全に一から頑張るのではなくて、先人の知恵を借りることがよいと思います。

積極的表示で参考になりそうな表現集を作っておくと便利です。

 

4.迷ったら、上位概念+積極的表示

積極的表示をすれば、きっちり権利取れますが、前例にないものを指定すると拒絶される可能性もあります。

 

そんなときのリスクヘッジとして、同じ類似群コードがある上位概念の商品・サービスを指定すると、権利範囲を守りながら、積極的表示が狙えます。

 

類似群コードが増えるわけではないので、かなりお勧めです。

 

5.参考リンク


商品・役務を指定する際の御注意 | 経済産業省 特許庁